ナゴヤダルマガエル 

アカガエル科 トノサマガエル属 Pelophylax porosus brevipoda (Ito, 1941) 

 

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オス、愛知県

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オス(岡山種族)、広島県

 
卵 ・ オタマ    鳴 き 声    文献 ・ 資料     写 真  

 分類学(国際命名規約)上はトウキョウダルマガエルの亜種とされ、種名のRana porosaを日本語で表示するとトウキョウダルマガエルとなり、ダルマガエルは消えてしまいます。しかし、絶滅危惧種として対策が講じられなければならないのはナゴヤダルマガエルのほうです。
トノサマガエルやトウキョウダルマガエルと比較すると、やや小型で手足が短くずんぐりしています。形態的にいくつかの地域集団に分けられますが、典型的なタイプは、背中の中央に縦縞がなく、背中や足に丸い黒い斑紋が散在します。

分布

本州(長野県伊那谷、東海、近畿、中国地方瀬戸内側)、四国(香川県)

生態

 トノサマガエルと基本的には同じ。ほとんど水辺から離れることなく暮らしています。餌は小型昆虫類やクモ、ヤスデなど。成体の生活場所、繁殖場所、オタマジャクシの生活場所と生活史のすべてを水田に依存している地域も多く、水田の開発には極めて弱いと言われています。

生息場所

 平地の水田、低湿地に生息。

繁殖

 繁殖期は4月から7月で、雌の一部は2回から3回産卵できるようです。

大きさ・色

 体長は雄で35~60mm、雌で40~70mm。

保全情報

各県のレッドデータ情報

各県のレッドリストカテゴリーは、制定当時の環境省カテゴリーと同等の場合はそのままのカテゴリー名で書いています。
○はその県に生息している、---は生息していないことを示します。
*は、県独自カテゴリーを示します。

    カテゴリ   その他
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岐阜県   絶滅危惧II類(2001) → 絶滅危惧II類(2010)  
静岡県   絶滅危惧IA類(2004) → 絶滅危惧IA類(2019)  
愛知県   準絶滅危惧(2001) → 絶滅危惧II類(2009) → 絶滅危惧II類(2015) → 絶滅危惧II類(2020)   2001年ではダルマガエル
三重県   希少種*(1995) → 絶滅危惧II類(2005) → 絶滅危惧II類(2015)  
滋賀県   絶滅危惧増大種(2000) → 絶滅危惧増大種(2005) → 絶滅危惧増大種(2010) → 絶滅危惧増大種(2015) → 絶滅危惧増大種(2020))   2000年ではダルマガエル。指定希少野生動植物種
京都府   絶滅寸前種*(2002) → 絶滅寸前種*(2015)   府指定希少野生生物 
大阪府   絶滅危惧I類(2000) → 絶滅危惧I類(2014)  
兵庫県   絶滅危惧種*(1997) → 絶滅危惧I類(2003) → 絶滅危惧I類(2017)   *緊急・厳重なの保全対策が必要な種。希少野生動植物種
奈良県   絶滅危惧I類(2006) → 絶滅危惧I類(2016)   県特定希少野生動植物種
和歌山県    ---  
鳥取県    ---  
島根県    ---  
岡山県   絶滅危惧種(2003) → 絶滅危惧I類(2009) → 絶滅危惧I類(2020)  
広島県   絶滅危惧種*(1995) → 絶滅危惧I類(2003) → 絶滅危惧I類(2011) → 絶滅危惧I類(2022)   *絶滅の危機に瀕している種
山口県    ---  
徳島県    ---  
香川県   絶滅危惧II類(2004)→ 絶滅危惧I類(2021)   2004年ではダルマガエルとして
愛媛県   絶滅危惧I類(2003) → 絶滅危惧I類(2014) → 絶滅危惧I類(2020)  
高知県    ---  
福岡県    ---  
佐賀県    ---  
長崎県    ---  
熊本県    ---  
大分県    ---  
宮崎県    ---  
鹿児島県    ---  
沖縄県    ---  

ハペ文化

地方名

  • 岡山県 瀬戸内市邑久町、とのさまがえる、伊藤邦夫 2013 岡山の貴重な自然遺産 絶滅危惧種ナゴヤダルマガエル岡山種族 高梁川流域連盟機関誌「高梁川」
  • 岡山県(備中)、げーる、伊藤邦夫 2013 岡山の貴重な自然遺産 絶滅危惧種ナゴヤダルマガエル岡山種族 高梁川流域連盟機関誌「高梁川」、(由来は、鳴き声から

ハペ文化

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その他

岡山県のナゴヤダルマガエルの声はこちらから

 

文献・資料

書籍

  • 関慎太郎, 2021, 野外観察のための日本産両生類図鑑  第3版, 緑書房, 東京
  • カエル探偵団編, 2020, 見つけて検索!日本のカエルフィールドガイド, 文一総合出版, 東京
  • 松井正文・前田憲男, 2018, 日本産カエル大鑑, 文一総合出版, 東京
  • 松井正文, 2016, ネイチャーウォッチングガイドブック日本のカエル, 誠文堂新光社, 東京
  • 関慎太郎, 2016, 野外観察のための日本産両生類図鑑, 緑書房, 東京
  • 内山りゅう・前田憲男・沼田研児・関慎太郎, 2002, 決定版日本の爬虫両生類, 平凡社, 東京
  • 前田憲男・松井正文, 1999, 改訂版日本カエル図鑑, 文一総合出版, 東京

学術論文

著者, 発行年, 論文タイトル, ジャーナル名, 巻号, ページ

原記載(1941年)

  • 伊藤龍.1941.トノサマガヘルの二型(第一報).名古屋生物学会記録8:79-87.

最新記載(2007年)

  • Che, J., J.-f. Pang, H. Zhao, G.-f. Wu, E.-m. Zhao, and Y.-p. Zhang. 2007. Phylogeny of Raninae (Anura: Ranidae) inferred from mitochondrial and nuclear sequences. Molecular Phylogenetics and Evolution 43: 1–13.

ウェブ・メディアなど

  • ウェブ名称など, URL
  • 新聞など媒体名, 発行年月日, 記事見出し, (URL)

その他

  • その他