ニホンアマガエル 

アマガエル科 アマガエル属 Dryophytes japonica Gunther, 1859

 

Hyla japonica

メス、千葉県

Hyla japonica

メス、千葉県

 
卵 ・ オタマ    鳴 き 声    文献 ・ 資料     写 真  

  前足後足ともに指先は吸盤状になっています。後足の指の間にはみずかきがありますが、あまり発達していません。

生態

 おもに潅木や草本などの上で生活します。乾燥にも比較的強く、繁殖期以外は水辺を必要としないうえ、狭い緑地でも生息可能なために都市部にも多く生息します。開発が進んでも最後まで生き残れる種かも知れません。

分布

 北海道、本州、四国、九州、佐渡島、対馬

生息場所

 森林の周辺部、草地、人家やその周辺。

繁殖

 春(4月から6月)になると水田などの浅い止水(流れがないかきわめて緩やかな水辺)で繁殖します。繁殖期間は1、2カ月続き、ほかのカエルと比べて長い方です。

大きさ・色

 成体の大きさは、雄で30mm程度、雌で35mm程度。
体色は、緑色から灰白色で、周囲の環境により変化。お腹側は、白からやや黄色みがかり、繁殖期の雄は喉が黒くなります。背中や後足には、不規則な黒暗色の模様。さらに鼻から目そして鼓膜を通る帯状の暗色模様で、アオガエル科のカエルと識別できます。

保全情報

  • -

各県のレッドデータ情報

各県のレッドリストカテゴリーは、制定当時の環境省カテゴリーと同等の場合はそのままのカテゴリー名で書いています。
○はその県に生息している、---は生息していないことを示します。
*は、県独自カテゴリーを示します。

    カテゴリ   その他
北海道   カテゴリなし(2001) → 準絶のおそれのある地域個体群(焼尻島)(2015)
カテゴリなし(2001) → 準絶のおそれのある地域個体群(利尻島)(2015)
 
青森県    ○  
岩手県    ○  
宮城県    ○  
秋田県    ○  
山形県    ○  
福島県    ○  
茨城県    ○  
栃木県    ○  
群馬県    ○  
埼玉県    ○  
千葉県    ○  
東京都(区部)   絶滅危惧IB類(2010) → 絶滅危惧IB類(2021)  
東京都(北多摩)   絶滅危惧II類(2010) → 絶滅危惧II類(2021)  
東京都(南多摩)   絶滅危惧II類(2010) → 絶滅危惧II類(2021)  
東京都(西多摩)   準絶滅危惧(2010) → 準絶滅危惧(2021)  
東京都(本土部)   準絶滅危惧(2021)  
神奈川県   健在種(1995) → -(2006)  
新潟県    ○  
富山県    ○  
石川県    ○  
福井県    ○  
山梨県    ○  
長野県    ○  
岐阜県    ○  
静岡県    ○  
愛知県    ○  
三重県    ○  
滋賀県    ○  
京都府    ○  
大阪府    ○  
兵庫県    ○  
奈良県    ○  
和歌山県    ○  
鳥取県    ○  
島根県    ○  
岡山県    ○  
広島県    ○  
山口県    ○  
徳島県    ○  
香川県    ○  
愛媛県    ○  
高知県    ○  
福岡県    ○  
佐賀県    ○  
長崎県    ○  
熊本県    ○  
大分県    ○  
宮崎県    ○  
鹿児島県    ○  
沖縄県   ---  

ハペ文化

地方名

  • 長崎県、ぎゃぐぎゃぐどんく、松尾公則 2005 長崎県の両生・爬虫類 長崎新聞社,長崎
  • 長崎県、しょうべんどんく、松尾公則 2005 長崎県の両生・爬虫類 長崎新聞社,長崎
  • 長崎県、あおひきどんく、松尾公則 2002 長崎の蛙と蛇の方言について 長崎生物学会誌 54 66-67.
  • 九州地方、だきた、松尾公則 2002 長崎の蛙と蛇の方言について 長崎生物学会誌 54 66-67.
  • 九州地方、ほとけびき、松尾公則 2002 長崎の蛙と蛇の方言について 長崎生物学会誌 54 66-67.
  • 新潟県、トノサマカエル、中村正雄 1926 新潟縣天産誌

ハペ文化

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その他

アマガエル属の分割によって、アマガエル属はDryophytes Fitzinger, 1843となった。そのため、学名がHyla japonica Gunther, 1859から変更になった(2020/11/8 爬虫両生類学会より)

 

文献・資料

書籍

  • 日本爬虫両棲類学会編, 2021, 新日本両生爬虫類図鑑, サンライズ出版, 滋賀
  • 関慎太郎, 2021, 野外観察のための日本産両生類図鑑  第3版, 緑書房, 東京
  • カエル探偵団編, 2020, 見つけて検索!日本のカエルフィールドガイド, 文一総合出版, 東京
  • 松井正文・前田憲男, 2018, 日本産カエル大鑑, 文一総合出版, 東京
  • 松井正文, 2016, ネイチャーウォッチングガイドブック日本のカエル, 誠文堂新光社, 東京
  • 関慎太郎, 2016, 野外観察のための日本産両生類図鑑, 緑書房, 東京
  • 内山りゅう・前田憲男・沼田研児・関慎太郎, 2002, 決定版日本の爬虫両生類, 平凡社, 東京
  • 前田憲男・松井正文, 1999, 改訂版日本カエル図鑑, 文一総合出版, 東京

学術論文

著者, 発行年, 論文タイトル, ジャーナル名, 巻号, ページ

原記載(1859年)

  • Günther, A. C. L. G. 1859 "1858". Catalogue of the Batrachia Salientia in the Collection of the British Museum. London: Taylor and Francis.

最新記載(2016年)

  • Duellman, W. E., A. B. Marion, and S. B. Hedges. 2016. Phylogenetics, classification, and biogeography of the treefrogs (Amphibia: Anura: Arboranae). Zootaxa 4104: 1–109.

 

  • 池田作次郎. 1891. あまがひる (Hyla arborea, L.) ノ卵並ニ産卵期. 動物学雑誌 3(37): 445-448.
  • 日本動物学会. 1935. Amphibian Fauna of North Manchuria and Adjacent Territory. : II.Description of anew tree-frog from Soda Steppe in North Manchuria (Hyla sodei-campi Nov. sp.). 日本動物学彙報 15(1): 28-32.

ウェブ・メディアなど

  • ウェブ名称など, URL
  • 新聞など媒体名, 発行年月日, 記事見出し, (URL)

その他

  • その他