ナガレヒキガエル
ヒキガエル科 ヒキガエル属 Bufo torrenticola Matsui, 1976
オス、奈良県 | ||||||
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卵 ・ オタマ | 鳴 き 声 | 文献 ・ 資料 | 写 真 |
1976年に記載された比較的新しい種。形態や体色はおおむねニホンヒキガエルに類似しますが、外見上鼓膜がほとんど無いように見えることや目と鼓膜との間にわずかな隆起がることで、ニホンヒキガエルと区別できます。また、ニホンヒキガエルの雄が繁殖期に黄色みがかる個体が多いのに対して、本種の雄は灰白色から暗灰色に変化し、鮮やかな赤色を帯びる個体もいます。
分布
本州の近畿半島から能登半島の付け根付近まで。ちょうどニホンヒキガエルとアズマヒキガエルの分布の境付近
生態
生息場所
アズマヒキガエルやニホンヒキガエルが人家近くにも生息するのに対して、本種は基本的には山地性で、繁殖場である山間の渓流周辺を中心に生活しているものと思われます。
繁殖
本種の生態は、繁殖場所が渓流であることが、他のヒキガエル類と大きく異なります。4月から5月にかけて、山間の渓谷の淵に集まり繁殖。多数の雄が淵の水底で雌を待ち受け、ペアとなった後、水底の岩や流木に卵塊を巻き付けます。オタマジャクシは渓流での生活に適するような大きな吸盤のような口を持っていて、流れの中で岩に吸い付くようにして珪藻などの藻を食べるようです。
大きさ・色
成体の大きさは、雄で100mm程度、雌で120mm程度。
保全情報
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各県のレッドデータ情報
各県のレッドリストカテゴリーは、制定当時の環境省カテゴリーと同等の場合はそのままのカテゴリー名で書いています。
○はその県に生息している、---は生息していないことを示します。
*は、県独自カテゴリーを示します。
カテゴリ | その他 | |||
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福井県 | 準絶滅危惧(2002) → 準絶滅危惧(2016) | |||
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滋賀県 | 希少種(2000) → 希少種(2005) → 希少種(2010) → 希少種(2015) → 希少種(2020) | |||
京都府 | 要注目種(2002) → 要注目種(2015) | |||
大阪府 | --- | |||
兵庫県 | --- | |||
奈良県 | 注目種*(2006) → 絶滅危惧II類(2016) | |||
和歌山県 | カテゴリーなし(2001) → 準絶滅危惧(2012) | |||
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沖縄県 | --- |
ハペ文化
地方名
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ハペ文化
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その他
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書籍
- カエル探偵団編, 2020, 見つけて検索!日本のカエルフィールドガイド, 文一総合出版, 東京
- 松井正文・前田憲男, 2018, 日本産カエル大鑑, 文一総合出版, 東京
- 松井正文, 2016, ネイチャーウォッチングガイドブック日本のカエル, 誠文堂新光社, 東京
- 関慎太郎, 2016, 野外観察のための日本産両生類図鑑, 緑書房, 東京
- 内山りゅう・前田憲男・沼田研児・関慎太郎, 2002, 決定版日本の爬虫両生類, 平凡社, 東京
- 前田憲男・松井正文, 1999, 改訂版日本カエル図鑑, 文一総合出版, 東京
学術論文
著者, 発行年, 論文タイトル, ジャーナル名, 巻号, ページ
原記載(1976年)
- Matsui, M. 1976. A new toad from Japan. Contributions from the Biological Laboratory, Kyoto University 25: 1–10.
最新記載(2010年)
- Dubois, A., and R. Bour. 2010. The nomenclatural status of the nomina of amphibians and reptiles created by Garsault (1764), with a parsimonious solution to an old nomenclatural problem regarding the genus Bufo (Amphibia, Anura), comments on the taxonomy of this genus, and comments on some nomina created by Laurenti (1768). Zootaxa 2447: 1–52.
ウェブ・メディアなど
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- 新聞など媒体名, 発行年月日, 記事見出し, (URL)
その他
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