ヒメアマガエル
ヒメアマガエル科 ヒメアマガエル属 Microhyla okinavensis Stejneger, 1901
オス、沖縄県西表島 オス、沖縄県西表島 | ||||||
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卵 ・ オタマ | 鳴 き 声 | 文献 ・ 資料 | 写 真 |
南西諸島産のカエルの類中、もっとも分布域が広く普通に見られる。ニホンカジカガエルよりもずっと小型で、山地渓流性ではなく、海岸近くから山地まで、どこにでも生息します。日本でもっとも小さなカエルです。2020年、八重山諸島に生息する集団がヤエヤマヒメアマガエルとして新種記載されました。
分布
奄美大島以南の奄美・沖縄諸島。台湾や東南アジアにも分布します。八重山諸島に生息するものはヤエヤマヒメアマガエル。
生態
海岸近くの低地から山地にまで広く分布し、人里や水田周辺から、山地森林に生息します。シロアリやアリなど小さな昆虫類を食べているようです。沖縄本島などの林道を歩くと、車が通った後のへこみ、いわゆる轍に溜まった水に透き通ったオタマジャクシがいるのを見かけることがありますが、それはたいてい本種のオタマジャクシです。
生息場所
森林の林床部、草地、人家やその周辺など、広い範囲に生息します。
繁殖
繁殖期は、一般に3月から7月といわれますが、一年中繁殖している地域もあります。繁殖は、水田や用水池、水たまり、などあらゆる水辺で行われます。オスは草むらや土の中など、隠れて鳴くことが多く、大きな声なのに実際に鳴いているところを見つけるのは難しいです。産卵は水面近くで行われ、産み出された卵塊は、水面にシート状に浮かびます。
大きさ・色
頭が小さく足が太いので、真上から見ると頭を頂点として三角あるいは菱形の形に見えます。指には吸盤はなく、後足の指の間にわずかにみずかきがありますが、ほとんど発達していません。
成体の大きさは、雄で25-30mm(平均28mm)、雌で27-37mm(平均35mm)です。体色は、茶色から黄土色で、不規則な暗色の帯状の模様があります。それよりやや濃い暗色の模様が、鼻から目を通って、脇腹の下部にかけて広がっています。
卵の大きさは1.2-1.4mmほどで、幼生は全長30mm以上に成長します。
保全情報
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各県のレッドデータ情報
各県のレッドリストカテゴリーは、制定当時の環境省カテゴリーと同等の場合はそのままのカテゴリー名で書いています。
○はその県に生息している、---は生息していないことを示します。
*は、県独自カテゴリーを示します。
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鹿児島県 | 外来種(2003) → ?(2016) | 自然分布は奄美大島以南.諏訪之瀬島のものは移入個体群 | ||
沖縄県 | ○ |
ハペ文化
地方名
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ハペ文化
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その他
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書籍
- カエル探偵団編, 2020, 見つけて検索!日本のカエルフィールドガイド, 文一総合出版, 東京
- 松井正文・前田憲男, 2018, 日本産カエル大鑑, 文一総合出版, 東京
- 佐々木健志・山城照久・村山望, 2016, 生態写真と鳴き声で知る沖縄のカエル全20種, 新星出版株式会社, 沖縄
- 松井正文, 2016, ネイチャーウォッチングガイドブック日本のカエル, 誠文堂新光社, 東京
- 関慎太郎, 2016, 野外観察のための日本産両生類図鑑, 緑書房, 東京
- 内山りゅう・前田憲男・沼田研児・関慎太郎, 2002, 決定版日本の爬虫両生類, 平凡社, 東京
- 前田憲男・松井正文, 1999, 改訂版日本カエル図鑑, 文一総合出版, 東京
学術論文
著者, 発行年, 論文タイトル, ジャーナル名, 巻号, ページ
原記載(1901年)
- Stejneger, L. 1901. Diagnoses of eight new batrachians and reptiles from the Riu Kiu Archipelago, Japan. Proceedings of the Biological Society of Washington 14: 189–191.
最新記載(1987年)
- Dubois, A. 1987. Miscelanea taxinomica batrachologica, II. Alytes. Paris 6: 1–9.
ウェブ・メディアなど
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- 新聞など媒体名, 発行年月日, 記事見出し, (URL)
その他
- その他