アズマヒキガエル

ヒキガエル科 ヒキガエル属 Bufo japonicus formosus Boulenger, 1883

 

azumahikigaeru

メス、埼玉県

 
卵 ・ オタマ    鳴 き 声    文献 ・ 資料     写 真  

  日本固有のヒキガエルで、西日本に棲むニホンヒキガエルとは亜種関係にあります。
背中には円形の突起状の隆起(イボ)が多数見られ、特に鼓膜の上には耳腺と呼ばれるやや大きい縦長のイボを持つ。このイボから毒液を分泌します。

分布

 本州の近畿以北。北海道函館周辺(移入)、佐渡島(移入)、伊豆諸島(移入)

生態

 活動するのは、おもに夜間ですが、雨の日には昼間でも姿を現すことがあります。餌は、昆虫類・ムカデ類・ミミズ類など。

生息場所

 人家周辺や山地など広い範囲に生息。繁殖期以外は水に入る必要がほとんどないので、水辺から遠く離れたところでも見かけることがあります。

繁殖

  繁殖が始まる時期は、地域や高度により異なりますが、おおむね2月から4月ごろ。どの繁殖地でも繁殖期間は、1、2週間と比較的短い。

大きさ・色

 大きさは成体で10cm以上。
体色は変異がありますが、おおむね茶褐色から黒褐色で、体の側面に白色および黒色の帯状不規則な模様が見られます。繁殖期の雄は黄色みがかることもあります。

保全情報

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各県のレッドデータと保全情報

各県のレッドリストカテゴリーは、制定当時の環境省カテゴリーと同等の場合はそのままのカテゴリー名で書いています。
○はその県に生息している、---は生息していないことを示します。
*は、県独自カテゴリーを示します。

    カテゴリ   その他
北海道   ブルーリストA(2004) → ブルーリストA3(2010) → ブルーリストA1**(2019)   **北海道の外来種リスト
青森県    ○  
岩手県    ○   
宮城県    ○  
秋田県    ○   
山形県      
福島県   カテゴリーなし(2003) → 準絶滅危惧(2017) → 準絶滅危惧(2018) → 準絶滅危惧(2019)  
茨城県   カテゴリーなし(2000) → 情報不足1注目種*(2016)  
栃木県   要注目種*(2004) → 要注目種*(2011)→準絶滅危惧(2018)  
群馬県    ○  
埼玉県   カテゴリーなし(1996) → カテゴリーなし(2002) → カテゴリーなし(2008) → 準絶滅危惧1型*(2018)    *
千葉県   絶滅危惧II類(2000) → 絶滅危惧II類(2006) → 絶滅危惧II類(2011) → 絶滅危惧II類(2019)   県独自のカテゴリあり
東京都(区部)   C(希少種)*(1998) → 準絶滅危惧(2010) → 絶滅危惧II類(2021)   伊豆諸島では移入種
東京都(北多摩)   カテゴリーなし(1998) → カテゴリーなし(2010) → 絶滅危惧II類(2021)  
東京都(南多摩)   カテゴリーなし(1998) → カテゴリーなし(2010) → 絶滅危惧II類(2021)  
東京都(西多摩)   カテゴリーなし(1998) → カテゴリーなし(2010) → 準絶滅危惧(2021)  
東京都(本土部)   準絶滅危惧(2021)  
神奈川県   減少種*(1995) → 要注意種*(2006)  
新潟県   カテゴリーなし(2001) → 準絶滅危惧(2006)   佐渡では移入種
富山県    ○  
石川県    ○  
福井県   カテゴリーなし(2002)→ 要注目(2016)  
山梨県    ○  
長野県      
岐阜県      
静岡県   要注目種*(2004) → 要注目種*(2019)  
愛知県      
三重県    ○  
滋賀県   希少種(2000) → 希少種(2005) → 希少種(2010) → 希少種(2015) → 希少種(2020)  
京都府   要注目種(2002) → 要注目種(2015)  
大阪府    ---  
兵庫県    ---  
奈良県   注目種*(2006) → 絶滅危惧II類(2016)  
和歌山県   カテゴリーなし(2001) → 情報不足(2012)  
鳥取県    ---  
島根県    ○  
岡山県    ---  
広島県    ---  
山口県    ---  
徳島県    ---  
香川県    ---  
愛媛県    ---  
高知県    ---  
福岡県    ---  
佐賀県    ---  
長崎県    ---  
熊本県    ---  
大分県    ---  
宮崎県    ---  
鹿児島県    ---  
沖縄県    ---  

ハペ文化

地方名

  • 山形県 庄内地方、ふるだ、佐藤雪雄 1992 庄内方言辞典 東京堂出版 東京
  • 山形県 庄内地方、ふるたひき、佐藤雪雄 1992 庄内方言辞典 東京堂出版 東京
  • 岩手県、ふるだ、本堂寛 2004 岩手方言の語源 熊谷印刷出版部 岩手
  • 岩手県 気仙郡、ふるだ、小本村司 1929 杜陵方言考 太田孝太郎(編)南部叢書 第十冊 南部叢書刊行会 岩手
  • 岩手県 気仙郡、ふるたひき、小本村司 1929 杜陵方言考 太田孝太郎(編)南部叢書 第十冊 南部叢書刊行会 岩手
  • 岩手県、ふるだびっき、本堂寛 2004 岩手方言の語源 熊谷印刷出版部 岩手
  • 宮城県、ふくだ、渡辺信夫 1983 宮城の研究第7巻 民俗・方言・建築史篇 清文堂 大阪
  • 宮城県、ふるた、渡辺信夫 1983 宮城の研究第7巻 民俗・方言・建築史篇 清文堂 大阪
  • 宮城県、ますびっき、武田拓 2015 宮城県伊具地方方言の実時間調査報告 2012-14 年度科学研究費 基盤研究(C) 研究成果報告書、(集水マスにたまっているところが由来)
  • 秋田県 由利本荘市、ふくだびっき、佐藤貢 1994 続・東由利の方言を考える 縄文出版社 秋田
  • 秋田県 由利本荘市、ふくだらびっき、佐藤貢 1994 続・東由利の方言を考える 縄文出版社 秋田
  • 東北地方(両羽)、人里蝦蟇(ひとざとがま?)、松森胤保, 1883-1892, 両羽博物図譜

ハペ文化

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その他

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文献・資料

書籍

  • 関慎太郎, 2021, 野外観察のための日本産両生類図鑑  第3版, 緑書房, 東京
  • カエル探偵団編, 2020, 見つけて検索!日本のカエルフィールドガイド, 文一総合出版, 東京
  • 松井正文・前田憲男, 2018, 日本産カエル大鑑, 文一総合出版, 東京
  • 松井正文, 2016, ネイチャーウォッチングガイドブック日本のカエル, 誠文堂新光社, 東京
  • 関慎太郎, 2016, 野外観察のための日本産両生類図鑑, 緑書房, 東京
  • 内山りゅう・前田憲男・沼田研児・関慎太郎, 2002, 決定版日本の爬虫両生類, 平凡社, 東京
  • 前田憲男・松井正文, 1999, 改訂版日本カエル図鑑, 文一総合出版, 東京

学術論文

著者, 発行年, 論文タイトル, ジャーナル名, 巻号, ページ

原記載(1883年)

  • Boulenger, G. A. 1883. Description of a new species of Bufo from Japan. Proceedings of the Zoological Society of London 1883: 139–140.

最新記載(2010年)

  • Dubois, A., and R. Bour. 2010. The nomenclatural status of the nomina of amphibians and reptiles created by Garsault (1764), with a parsimonious solution to an old nomenclatural problem regarding the genus Bufo (Amphibia, Anura), comments on the taxonomy of this genus, and comments on some nomina created by Laurenti (1768). Zootaxa 2447: 1–52.

ウェブ・メディアなど

  • ウェブ名称など, URL
  • 新聞など媒体名, 発行年月日, 記事見出し, (URL)

その他

  • その他